インドで必ず観たい!映画ダンスだけじゃない神秘的なインドの古典舞踊

こんにちは。インドのダンスや民族衣装が大好きな真弓です。

私は2004年から南インド古典舞踊「バラタナティアム」を習っています。

インドの踊り(ダンス)というと、映画に出てくるようなフィルムダンス=ボリウッドダンス(Bollywood dance)を思い浮かべる人が多いのですが、実はインドにはたくさんの種類の踊りがあります。

インドの国土は広く、地域により、言語・食事・文化・芸術が異なります。

そのため、インドを旅していると様々な古典舞踊・伝統舞踊・民族舞踊に出逢うことができます。

それぞれの地域の特色・宗教的背景・歴史などにより、使われる楽器・衣装・装飾品・メイク・踊りの内容も異なり、知れば知るほどはまってしまうのが、インド舞踊の魅力です。

数え切れないほどのインドの踊りの中でも、今回は美しく、神秘的なインド八大古典舞踊をご紹介します。

 

インド八大古典舞踊とは

インド舞踊は世界最古の舞踊と言われています。

ほとんどのインド古典舞踊は、ヒンドゥー教の神話を元にしています。

それらの踊りについての詳細は、2千年以上前に書かれた、『 Natya Shastra(ナーティヤ・シャーストラ) 』という世界最古のサンスクリット演劇論書に基づき、体系的に伝えられています

数ある舞踊の中でも四大古典舞踊とされている踊りが南のバラタナティヤム、カタカリ、北のカタック、東のマニプリです。

現在、この4つの舞踊の他にも、クチプディ、オリッシー、モヒニアッタム、サットリヤを加えた8つの古典舞踊を、インド政府が「インド八大古典舞踊」として認定しています(The Sangeet Natak Akademi 国立芸術学校が定める8つの古典舞踊)。

 

 

バラタナティアム Bharatanatyam

南インド、タミル地方で、ヒンドゥー教寺院の中で、「デーバダーシー」という神に仕える巫女たちによって幾世紀にもわたり踊りつがれてきた舞踊。

インド古典舞踊の中でも、もっとも起源が古いと言われています。

中腰の姿勢から繰り出される力強く複雑なステップと、目・首・肩・腕・手・指先を使った表現が特徴的です。

もともと、寺院の中でのみ踊られてきた踊りですが、19世紀終わり頃からは、舞台芸術として、一般の子女や男性、外国人でも踊ることを許されるようになりました。

踊りの内容は、神への献身と敬愛がテーマとなっています。踊るヨガとも呼ばれ、激しいステップで踊っているのに、心は逆に穏やかになっていくような美しい踊りです。

衣装は金色のボーダーが美しいカンチプラム・サリーで、金色のアクセサリーが基本で、ガーネットやパールを使っていて華やかです。

南インドのチェンナイでは12月、1月はダンスシーズンと呼ばれ、その時期は毎日公演があるのでぜひ観たい踊りです。

 

カタック Kathak

紀元前、北インドでは「カタカ」と呼ばれる語り部が村々の寺院を廻って、ヒンドゥー教の叙事詩を語って聞かせていたそうです。

次第に、カタカは、語りに歌や音楽、踊りなどを入れるようになり、舞踊としての形式が出来上がっていきました。

その後、インド北部はムガル帝国の支配下に置かれ、カタックは宮廷内でイスラム教の影響を受けながら、宮廷舞踊として発展していきました。

カタックはフラメンコの起源ともされ、足首の鈴を楽器のように打ち鳴らし、激しいステップを打ち鳴らしたり、旋回する踊りが特徴的です。

使われる音楽も、シタールやタブラなど、南インドの土着的な音楽に比べ、神秘的で艶っぽいなと感じます。

演奏者との掛け合いは、観客も巻き込む盛り上がりとなります。

カタックダンスの衣装は、宮廷舞踊のイメージそのまま、ゴージャスです。サリーではなく、スカートタイプで、ベールで頭を覆うスタイルもあります。

旅行者の多い、デリー、アグラ、バラナシなどの北インドの観光地でも観られます。

 

カタカリ Kathakali

ケララ州を代表する伝統舞踊です。カタは踊り、カリは音楽を意味し、男性のみで演じられます。

メイクが特徴的で、赤・青・緑・白の原色のメイクは日本の歌舞伎のようだと言う人もいます。女性役も男性が演じるので、余計そう感じるのかもしれません。

ただ、歌舞伎とは違いセリフはなく、パントマイムのように、身体の動きや指や目、手の形などで表現され、物語が進みます。

迫力を出すために、白目をスパイスで刺激して赤くすると聞きました。かなり痛そう!

ケララ州のコーチンにはカタカリ・ダンスの劇場がたくさんあり、毎晩どこかで公演をしているので、旅行中に比較的観やすい舞踊です。

本番前に、メイクアップの様子を見学することができるので、公演には早めに行くことをおすすめします。

 

マニプリ Manipuri

北東インド、アッサム地方、マニプール州の民族舞踊マニプリは優雅で、それでいて民族色の強い踊りです。

もともとは女性のみで踊られていたマニプリは、手や指の動きもなめらかで柔らかく、またバラタナティアムやカタックのような激しいステップがないため、全体的にゆったりとした印象です。

衣装もとても美しく繊細です。ミラーワークと呼ばれる小さな鏡や装飾が縫い付けられていて、スカート部分が円筒型になっているのが特徴的です。

コンサート会場で見るのも素敵ですが、野外で観たマニプリが、動くたびに衣装がキラキラ光ってとても綺麗だったのが印象的です。

旅中のルートでアッサム地方を訪れる人は少ないかもしれませんが、ぜひ観たい舞踊の一つです。

12月〜1月のチェンナイのダンスシーズン、また、同じ頃にあるマハバリプラムのダンスフェスティバルで観ることができました。

 

 

クチプディ Kuchipudi

南東インドのアーンドラ・プラデッシュ州にあるクチプディ村に伝わる古典舞踊。

バラタナティアムが寺院の中で巫女のみで踊られていたのに対し、クチプディは、もともとヒンドゥー教のブラーミン(インドのカースト制度の頂点に位置する司祭階級)から選ばれた男性たちのみが踊ることを許されていました。

幾多の歴史を経て、今日では舞台芸術として確立され、女性も踊ることが許されています。

衣装や装飾品、メイクそして踊りもバラタナティアムにとても似ていますが、動きにも違いがあり、特にクチプディはお盆に乗って小気味良いリズムで踊る演目があり、特徴的です。

 

オリッシー Odissi

東インドのオリッサ州に伝わる古典舞踊。

ヒンドゥー寺院で、マハリと呼ばれる巫女によって神に捧げるために踊られていました。

バラタナティアムやクチプディと似ているように感じる人もいますが、オリッシーは寺院彫刻のように美しいポーズが特徴的で、その動きは優美で女性的です。

オリッシーの衣裳は絣(かすり)のオリッサ・サリーで、アクセサリーは銀色です。

オリッサ州を訪れたことがないのですが、布物が超絶かわいいと思うので、行きたい場所の一つです。

 

モヒニアッタム Mohiniyattam

モヒニアッタムは南インド・ケララ州に伝わる古典舞踊。

ケララののんびりした空気そのまま、椰子の木が揺れているような波立つ海のようなイメージの、ゆったりとした動きが特徴的です。

また、表情豊かで、女性的な優美な動きは観ていて心が落ち着きます。

サリーは白色で、金色の縁取りがあります。後頭部ではなく、頭の左部分に髪を結って白い花で飾ります。

 

サットリヤ  Sattriya

北東インド、アッサム地方に伝わる伝統舞踊。

サットリヤはサッタラス(sattras)と呼ばれる僧院(monastery temples)に起源を持ちます。

今年初めて舞台で観たのですが、しなやかな動作と優美な手の動き、一方で男性的な力強いジャンプなどが組み合わされた美しい踊りでした。

シンバル(鐘)を鳴らしたり、太鼓を叩きながら踊る様子からは、祈りや神への献身の意味合いや土着的な雰囲気を感じます。

アッサム州の首都グワーハーティーでは、特に冬の間に公演があるそうなので、訪れたら観たい舞踊です。

 

まとめ

いかがでしたか?

神様への奉納舞いとしての歴史が基礎にある、インドの古典舞踊はどれも美しく、踊りを観ると、インドに対するイメージが変わるかもしれません。

古典舞踊を理解するためには、その背景にある物語や宗教儀式などを知らないと難しく感じるかもしれません。

せっかくインドを旅するのであれば、インドの神様の物語や、二大叙事詩『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』などを読んでから訪れると、踊りだけでなく寺院や聖地を訪れる際にも違う視点で見ることができます。

インド舞踊の踊り手は、踊りを通して、神様と人間の仲立ちをすると言われています。インドを訪れる際には、ぜひ、そんな神秘的な踊りを観てみてくださいね。

4 件のコメント

  • 真弓ちゃん。素晴らしいブログですね!写真も綺麗で、解説も丁寧。インド舞踊を勉強している人にも、知らない人にも解りやすくて興味が湧きます。次次に色々なテーマで発信してください。私達の大好きなお買い物もね!

    • 先生!コメントありがとうございます(*^^*)
      初コメントです〜〜っっ感激!!
      先生と出会ってインド舞踊に興味を持って、人生がまるっと変わった私みたいに(^^)
      たくさんの人がインド舞踊やインドに興味を持ってくれたらいいな〜って思って書いたので、先生にそう言っていただけて嬉しいです。

  • ヨーガ療法士のことも、書いてください。私もヨーガを教えていますが、脱力が本当に難しいです。ヨーガは曲げるのではなく、脱力、力を抜くことで、自ずから曲がっていきます、と言ってるのですが、なかなか、その辺が伝わりません。世界旅行で、インドの人だけでなくいろんな方に教えていることから見えてくることがあると思います。そのあたりを、書いてもらえるととても嬉しいです。

    • 静男さんコメントありがとうございます(^ ^)
      今後YOGAについても書いていきますね〜
      読んでもらって感謝です!!

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    ひらたび

    旅とお酒、出会いと再会が大好きな夫婦。 2012年12月から無期限の新婚旅行中。 2015年11月からセブ島にある「旅人たちの英会話スクールCROSSxROAD」スタッフ。 今は セブを拠点に最幸な人生を更新中。 >詳しいプロフィールはこちらから